負けず嫌い

旦那さんの大学時代からのご友人で「争い事は嫌いなのに、なぜか喧嘩をふっかけられる星の元に生まれてるのよ。」と言う方がいらっしゃいます。旦那さん曰く、彼女の場合、相手に勝手にライバル視されるというか、仮想敵（打倒の目標）にしたてあげられるというか。それはおそらく彼女が見目麗しく、あらゆることで優秀すぎるため、本人はおっとり構えていても（実際におっとりした雰囲気）、周りが放っておかないのではないかと分析していました。

そんなご友人曰く「占いは数あれど、殊、相性に関しては『宿曜』は当たっていると思う。」　宿曜とは、空海が大陸から日本にもたらした宿曜経がベースと言われる占星術です（*1）。親子関係、友人関係、会社の上司・部下関係、そして彼氏との関係を宿曜に当てはめて「はうあー、やはりそうか！」と嘆息するご友人。喧嘩をふっかけられる原因がわかったのでしょうか。私たちは興味がむくむくと湧いてきました。

旦那さんは宿曜サイト（*2）で自分と知人を片っ端から当てはめていきますと納得するものがあったようです。ただ１点を除いて。それは自分の性格です。旦那さんは星は戦いの星、負けず嫌いだと書かれていることに対し「納得いかねー！」とPC画面に向かって抗議していました。あ、いや、その時点で「そのとおり…」と思うのですが。彼女の言い分としては、争い事が嫌いなので勝敗がつくもの、つまりゲームには必要最小限にしか参加しないようにしているということでした。

ゲームと言えば代表的なのはスポーツです。旦那さんは両親譲りの抜群の運動神経で体育の成績はいつも５だったそうですが（自己申告ですからネ…）、スポーツ嫌いの文化系で通しています。スポーツのゲームに関わると、誰もが目つきが変わって闘争心むき出しの状態になること、勝っても負けても後味が悪いのがどうにも居心地が悪いんですって。だから「争い事が嫌いな心やさしき私」と彼女は主張しているわけです。

「争い事が嫌い」とは、先のご友人と同じ言い方をしていますよね。私はどうにも気になって占いをよくよく調べてみますと、旦那さんとご友人は同じ星の下に生まれているではありませんか。ぎゃはは（笑）。こういうのを本当の類は友を呼ぶというのかもしれません。

ところで、旦那さんの夫のじゅんさんはゴルフ暦が長く大変お上手です。結婚をしてからというもの周囲の人に「夫婦でゴルフをすればいいのに！」と声をかけられます。ところが旦那さんは多分ゴルフはやらないと言います。

旦那さんは夫を気遣う妻のつもりで

「万が一私が勝負に勝ってしまったら、
じゅんさんの腹の中はきっとおもしろくないでしょう？
それでその後しばらく家の中の雰囲気が悪くなったら嫌だもの。」

それを聞いたじゅんさんは呆れ顔で

「あんた、俺に勝つ気前提なの！？」

じゅんさんはここにきて初めて、旦那さんがかなりの「負けず嫌い」であることを認識したようです。

「え！？　どうせやるなら、勝つ気でやるものでしょう？」
「俺のレベルになるには10年以上はかかるよ。」

即座に旦那さんの頭の中では、自分がライフワークで取り組んでいるピアノに置き換えました。じゅんさんが旦那さんのようにピアノを弾けないのは当然、ということは、旦那さんがじゅんさんのようにゴルフができないのも同じ。旦那さんがゴルフをやりはじめても、じゅんさんと同じ土俵にすら上れません。

「（ちッ、私のピアノと同じか…。）」
「え、何か言った！？」

旦那さんもこの会話を通して、自分はかなりの負けず嫌いであることを自覚したようです。私がそう指摘しても認めなかったくせにさ。やはり人は鏡、人によって自分を知るところがあるのですね。

たかがゲーム、所詮遊び、腕試しをしてみようか、勝ったら嬉しい、負けたら悔しい、ただそれだけの気安さ。夫にゴルフを教えてもらおうか、夫と一緒に気持ちよく晴れた日のゴルフ場を歩いてみようかという可愛げ。そんなものが一切ない新妻である自体が、もう旦那さんは戦いの星の下に生まれたと言っても過言ではありません。そんな性格をうっすら自覚しているからこそ、「争い事が嫌い」と言ってあらかじめ避けるのではないでしょうか。君子、危うきに近寄らず。そして宿曜によるとじゅんさんはがんこ者の星。旦那さんと争えば大変なことになると書かれてありました。旦那さん、ゴルフやらなくて正解です。

それはそうと旦那さんと同じ星のご友人はどうなったかって？　「宿曜」で相性ぴったりの（戦わなくてもよい）ご主人様と結婚されたようですよ！


＜参考＞
*1：宿曜占星術（Wiki）
*2：宿曜占星術占星術サイト
宿曜占星術光晴堂
宿曜占星術
MERCY ==黄色い薬局 マーシィー＜宿曜占星術＞==


＜紹介＞