昔の恋人スターバックスに想う

なんだかんだで今現在もスターバックスを愛している旦那さん。一時期アメリカの店舗閉鎖が相次ぎ経営を心配していたのですが、ロゴから"StarbucksCoffee"の文字を外しセイレーンのみにしたことにより、コンセプトショップをはじめ多角的なフードビジネスにチャレンジしていく意気込みを感じ、明るい気持ちになれました。この記事は10年以上も前の旦那さんのスターバックス愛、そしてドトールリスペクトを語った内容になっています。

以下はLOVELOG版Messier Catalogue 27の2008年07月16日の記事の再投稿です。

昔の恋人スターバックスに想う




本国アメリカでスターバックスコーヒー失速と最近のニュースで見ましたが(*1)、逆に全世界に光速で展開中ってな勢いがありますよね(*2)。あのカフェとタバコの国フランスだって、全席禁煙のスターバックスで4ユーロ(約680円、高い!)もするカプチーノを「仕方ないよねー。」とテイクアウトする姿も普通になってきたそうですし。旦那さんは旅行中、ロンドンとタイで見つけたスターバックスで命を救われてましたよね…。世界企業万歳。

初めてスターバックスに行って注文したときってドキドキしませんでしたか? 今でこそ日本ではコーヒー通でなくても、カフェラテだの、カプチーノだの、エスプレッソだの、喫茶店の定番アメリカンとブレンド以外のコーヒーを出されてもわかる世の中になりましたが、旦那さんが始めてスターバックスを見た10年前は、まだそんな豊かなコーヒー文化は根付いていませんでした。またサイズについても、ショート、ミディアム、ラージ、グランデでしたっけ? コーヒー種類の多さ、サイズの呼び方で旦那さんが大混乱したのは容易に想像できますよね。

旦那さんのスターバックスデビューは約10年前の自由が丘です。たった一人足を棒にして友達のプレゼントを探し回り、疲れて流れ着いた先がスターバックスでした。店の様子からセルフサービスのコーヒー専門店ということを理解したくらいで、あとは何もわかっちゃいません。他の人が手に持っているミルクたっぷりのコーヒーを見て「私もあれが飲みたい」と思ったそうですが、いざ注文となるとメニューを見せられても「???」。迷っている間に後ろには数人の列ができています。焦る本人は店員に聞くという選択肢が吹っ飛んでいます。一か八かで頼んだのは「エスプレッソのダブル」。牛乳が2倍になると瞬間的に思ったそうです…。もちろんやってきたのはドッロドロの濃いコーヒーのショット×2の量でした。まったくもって苦い×2の思い出です。

それからしばらく、苦い思い出を胸に、旦那さんはスターバックス・スマートオーダー作戦と称し、東京のあらゆるスターバックスを渡り歩きます。よほど悔しかったんですね…。地図に攻略したスターバックスにバッテン印をつけていく姿はまるで道場破りのようでした。旦那さんに言わせると「君、憎しみは愛に変わるのだよ。」だそうですが、確かにこんなシーズングリーティングも作ってましたね! ([上図]バカンス中のセイレーン) ところが2001年辺りから店舗増加のペースについていけなくなり、旦那さんはスターバックスに別れを告げます。なんかインディーズバンドマンの恋人が一気にメジャーになった感じですかね。

今は、競合店としてスターバックスと同じく米シアトル発「タリーズコーヒー」、カナダ発「ブレンズコーヒー」、イタリア発「セガフレード・ザネッティ」、ドトール系列「エクセシオールカフェ」、珈琲館系列「カフェ・ディ・エスプレッソ」、喫茶室ルノアール系列「ニューヨーカーズカフェ」、ポッカ系列「カフェ・ド・クリエ」、岡山の優良企業「サンマルクカフェ」、東京で目にするだけでもこんなにあります。

「恋人(スターバックス)と別れた後はどうですか?」と置いていかれて傷心気味だった当時の旦那さんに聞くと、「ダントツにコーヒーがうまいのはザネッティ!」と変わり身の早さに驚きました。さすがコーヒー好き。「けど、ダブルがドゥッピオで、ショートがピッコロだよ。注文時の「ッ」の発音の恥ずかしいことと言ったら!」さすがにラテン男と付き合うには一筋縄では行きませんね。もちろん「一番小さいやつ」「普通サイズ」「ラージ」と適当に言っても通じますけどね。

ところで、スターバックスがこんなに日本の人に受け入れられた秘密ってなんだと思いますか。濃ゆ~いコーヒー牛乳の美味しさ? 飲み歩きがかっこいい? 日本人好みのキャラクター? なんか素敵なオープンテラス? 長居したくなるような店内(*3)? 旦那さんに聞いてみますと明後日の方向から回答がやってきました。「ドトールのおかげでしょう!」(*4)

スターバックスが日本に出店する前からすでに「ドトール」によって、都会の人の行動に喫茶店ではなくカフェに立ち寄る、つまりファーストフード的にコーヒー消費するということがすでに刷り込まれていたからですって。だからセルフ形式にしてはやや高いスターバックスに行くことに抵抗がなかったと。下地を作ってくれていたんですね。経営側の視点から見れば、お客さんの回転率にかけては「ドトール」は優秀ですし(*5)、個人的には女性店員さんのタイトスカートの制服とサイドメニューの「ミラノサンド」は、数あるチェーン店の中でも一番お気に入りです。なるほど、偉大なる先駆者(しかも現役!)、永遠の恋人と言ってもいいのではないでしょうか。

最後に小話を。ご実家が青森にある会社の同僚の実話。お父様と電話で話したときのこと。「家の近所に美味しいコーヒー屋ができたんだ。帰省したらお前を連れていってやるぞ。」 …連れていかれたのは「ドトール」だったそうです。おあとがよろしいようで。


<参考>
*1:ロイター紙3連発
 米スターバックス、米市場の不振補うため海外展開を積極化─CEO=独紙(2008/6/16)
 米スターバックスが500店舗を追加閉鎖、1.2万人削減へ(2008/7/2)
 米スターバックスの店舗閉鎖、一部コーヒー愛好家は歓迎の声(2008/7/8)
*2:スターバックス、世界展開で挽回できるか?(2008/7/11 NBOnline)
*3:一応、客の回転率を上げるためにそれなりに工夫をしている。
 騒がしめなジャズを流したり、壁紙がガチャガチャした模様だったり。
 経営学部出身の旦那さんの妹さん提供、ゼミ教授からの情報。2003年情報。
*4:ドトールコーヒー
 1980(昭和55)年4月18日、原宿で1号店が開店。詳しくはドトールストーリーで!
*5:ドトールとスタバ回転率の比較
 Y.Tomizawa氏 東京マーケティングタウン マーケティング的コラム
 スタバのまったり度とは?
 2003年10月と5年前のデータですが。


<紹介>

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