江戸時代のスーパーサイヤ人

去る2月3日、市川團十郎さんが亡くなられました。実は旦那さんとじゅんさんの初めての歌舞伎デートが、団十郎さん主演の「盲長屋梅加賀鳶(めくらながや うめが かがとび)」(通称:加賀鳶)でした。加賀鳶というのは加賀藩専属の火消したちのことです。主人公の一人が颯爽とした加賀鳶の頭の梅吉。そしてもう一人の主人公、どこか憎めない悪党の道玄。梅吉と道玄は同じ役者が演じるということで、そのギャップを楽しむお芝居でもあります。

その梅吉と道玄を團十郎さんが演じられ、じゅんさんはあっと言う間に團十郎さんファンに。とくに道玄が追い詰められる最後のシーン、世話だんまりのコミカルさが気に入ったんですって。それ以来、旦那さんが歌舞伎に行くと言ったら、じゅんさんも付いてきてくれるようになり、歌舞伎デートが定番となりました。極めて個人的ですが、団十郎さんは旦那さんたちにとってはキューピッドだったのかもしれませんね。

今回は哀悼の意をこめて、團十郎さんが出演された演目「暫」を見に行った時の記事にしたものを再掲します。観劇の記事はリアルタイム性が求められるので過去にアップしたものは再掲はしないつもりでいたのですが、今回を機にイラストのみアップしました。成田屋十八番の演目もありますので、探してみてください。(^^)/

Kabuki

以下はLOVELOG版Messier Catalogue 27の2010年07月27日の記事の再投稿です。



江戸時代のスーパーサイヤ人


新橋演舞場で行われた七月大歌舞伎の筋書きにある市川團十郎さんのコメント「(『暫』は)弱きを助け、強きをくじく勧善懲悪。でも実はローティーンの若さ。還暦を過ぎて若者をやらせていただきます。」を読んで。

おそらく、ぴちぴちの前髪の若者・鎌倉権五郎景政が変身しているんですよね。舞台を見て私は、江戸時代にはすでにスーパーサイヤ人(ドラゴンボール)はいたのだと確信しました。

あ、絵の赤い人5人は栽培マンじゃありませんよ。もちろんギニュー特戦隊でもありません。「腹出し」よ呼ばれる敵方の赤っ面の猛者どもです。後ろのいかにも悪いヤツは、「ウケ」と呼ばれる悪の張本人・清原武衡(たけひら)。メイクも青いんですよ。フリーザ様ではないですからね(もうお約束…)。

おっと、『暫』は平安時代後期の鶴岡八幡宮を舞台にしたお話ですからね。時代考証なんてあったもんじゃない(笑)。この懐の深さがエンターテイメントなんですよね。わははは。

でも本当のスーパーサイヤ人は團十郎さんかもしれませんね。鎌倉権五郎の衣装総重量は、な、なんと、60Kgにもなるそうです。これ着て、7月2日の初日から、26日の千秋楽まで休みなしに演じ続けるのですから、年齢と大病されたことを考えますと、超人としか思えません。

その当の團十郎さんは青空のようで素敵でした。見に行ってよかった。



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