初めての予防接種


赤ちゃんが生まれてからのお母さんのスケジュールはなかなか忙しいものがあります。最初の2ヶ月間で、お七夜、お宮参りといった日本古来の風習から、1ヶ月健診、助産師訪問といった健康に関わるものまでこなさなければなりません。そして生後3ヶ月目、つまり満2ヶ月のお誕生日(例:3月10日なら5月10日)を迎える日から新しいタスクが発生します。それが予防接種です。

赤ちゃんの予防接種は、子どもたちの命にかかわる重大な病気をできるだけ早くのワクチン接種で防ごうという目的の下、行われています。とくに0歳の赤ちゃんは、6種類もあり、接種回数は15回以上にもなります。同時接種をしていかなければ間に合いません。

0歳で受ける予防接種一覧(2013年4月時点)
 B型肝炎【3回】〔任意〕
 ロタウィルス(感染性胃腸炎)【2 or 3回】〔任意〕
 ヒブ(髄膜炎)【3回】〔任意〕
 小児用肺炎球菌(髄膜炎)【3回】〔任意〕
 四種混合(ジフテリア、百日ぜき、破傷風、ポリオ)【3回】〔定期〕
 BCG(結核)【1回】〔定期〕

予防接種スケジュールの目安については生後1ヶ月目での助産師訪問で説明があり、後日自治体より補助対象の予防接種について病院に持参する予診票(接種券)が送られてきます。しかしこの時点では具体的なスケジュールは組まれていません。旦那さんの場合、助産師さんから「NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会」のスケジュール表をいただいたものの、これだけだと「満2ヶ月の誕生日に受けるものはどれなのか、受けられるものは全部なのか?」という疑問が湧いてきました。さてどうするか。


■スケジュールを組んでみよう

一ヶ月健診の助産師さんには2ヶ月の誕生日を迎える前にかかりつけの小児科を見つけ、そこに相談をするようにアドバイスを受けました。

そこでまずは小児科探しです。一番いいのは出産前に近所の小児科の場所をチェックしておいて、その後産院で出会った経産婦さんたち(お兄ちゃん、お姉ちゃんが既にいる)に小児科の評判を聞くのが確実ですよね。ですが旦那さんは居住区から離れた大病院での出産だったため知り合うお母さんたちの生活エリアが異なりそれは望めず。そこで一ヶ月健診の助産師さんに居住区にある小児科を何件か紹介していただいたのですが、残念ながら決定打に欠けます。

そこで私の出番です。実は私は、旦那さんが産休に入ってから自宅から歩いて10分の距離で「小児科」と看板を掲げている病院をチェックしていました。どのよなチェックかと言うと、玄関前に乳幼児のような小さい子、もしくは小さい子を連れてきたママチャリを見かけるかということです。時間は朝イチの9時と学校の終わる16時くらい。見かければそれなりに繁盛していると判断。インターネットの口コミは一般のサービスとは違う病院に対して判断することは難しく参考意見程度に留めます。結論は、出産準備本に書いてあったように「内科・小児科」ではなく「小児科・内科」の順で看板に書いてある病院がやはり一番繁盛していました。よってそこに決定。

次にスケジュールの相談ですが、旦那さんは次のように問い合わせの電話をしました。
「0歳の子で初めて予防接種をお願いしたいのですが、
 どのワクチンからお願いすればよろしいですか?」
「お子さんのお誕生日はいつですか?」
「2月○日です。」
「では、うちの病院の場合はまずスケジュールの相談を事前に行いますので、
 お母様だけ先にいらしてください。」

そしてスケジュール相談に行った結果、先生によると「四種混合」の初日が3ヶ月目の誕生日に確定。それを軸に前後の同時接種のスケジュールを組んでもらったのでした。そして任意の「B型肝炎」だけは「同時接種できるけど大変なので、うちでは6ヶ月過ぎてやることにしてますけどね。」と説明を受け後回し。「大変」というのは副反応のこともあるでしょうし、「ロタ」と「B型肝炎」は自費になるため費用負担のこともあるでしょう。確かに「ロタ」だけで1回10000円程度。懐が痛い…。こちら自治体によって補助金が異なりますので調べてみてくださいね。

いずれにせよ予防接種をするにあたり、病院によってはワクチンを取り寄せで用意をしないといけないこともあるので、まずは事前に電話をすることになるでしょう。その時にスケジュールについて尋ねてみるのがよいと思います。

スケジュールについて詳しくはこちら(NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会)

〔追記〕2013/10/15
「初めて 予報接種」の検索ワードでこのページにこられる方が多いので、
参考までにすうちゃんのスケジュールを記載します。
BCGは区の保健所で実施し、それ以外は全て病院で同時接種です。
四種混合は3回目の1年後(18ヶ月)で実施予定です。

<0歳児の予防接種スケジュール サンプル>
ワクチン名
0歳/満月齢1歳
012345678910111213
B型肝炎(5価)
ロタウィルス
ヒブ
小児用肺炎球菌
四種混合
BCG
MR


■無難にデビューしたものの

すうちゃんのその日はやってきました。「ロタ」、「ヒブ」、「小児用肺炎球菌」の3種類を接種します。

「小児科にベビーカーで行くのはKYだ!」と強い口調の投稿をインターネットで見たことがあったので、旦那さんは抱っこ紐ですうちゃんをえっちらおっちら前抱っこでお出かけ。しかしかかりつけに選んだ小児科はベビーカー対応していて待合室が土足OKでかなり広いことに気付きました。スケジュール相談しに行ったときに気付けよ…。実際3組のお母さんたちがベビーカーで来られていました。

抱っこ紐ですやすや眠ってしまったすうちゃんは診察室に呼び出しされてもまだ眠っています。まず診察をするのに口を開けて喉の奥を見るのですが、それでもまだ眠っています。旦那さんは注射を痛がる他の赤ちゃんの泣き声を聞くにつけ、注射針を打たれるのはかわいそうだと思っていたので、できれば眠っているうちに済ませればと思ってすうちゃんの袖を捲りました。

まずヒブ。左腕にブスッ。赤ちゃんの腕に細い針が1cmくらい入るのですね。痛そうで見てられません。ところがすうちゃんはヒブでは針が抜かれた後に「はひ?」という寝ぼけた顔をして声をあげることもしませんでした。実際には針が刺さるのが痛いのではなく、液体が注入されるのが痛いそうなんですけどね。その証拠に先生が「どうも赤ちゃんはヒブより肺炎球菌のほうが痛いみたいなんですよ。」と言っています。

いよいよ痛いと言った「肺炎球菌」を右腕にブスッ。チュウ。すうちゃん間髪いれずに
「ギャーーーー(泣)」
痛かったんだね。よしよし。私も精一杯慰めます。5秒程度で泣き止みました。すうちゃん偉い!

そして最後に経口の「ロタ」。生ワクチンの入ったシロップを美味しそうにちゅぱちゅぱと一気に飲み干します。「それ、ロタウイルスやて。」旦那さんは複雑な気分…。看護師さんも苦笑い。看護師さんは「しばらく手をしゃぶらないように、またしゃぶった手でいろんなところを触らないように見張っておいてください。最悪大人もロタに感染します。」と言われ、旦那さんはすうちゃんを20分ロック。

こうしてすうちゃんの予防接種は無難にデビューしたのでした。ところが本当の恐怖はこの後訪れます。


■これが副作用か!?

その日の晩、すうちゃんをお風呂に入れようと風呂のドアの前で待たしていた時のことでした。いきなりすうちゃんが火が付いたように泣き始めたのです。顔がみるみる真っ赤を通り越して赤黒くなっていき、喉の奥から声を搾り出すように大声を上げ、涙を流して泣き続けます。泣き方が尋常ではありません。

旦那さんは副作用ではないかと腕が赤く腫れていないか確認、熱がないか確認、体を触ってどこか痛くないか確認、全て特に問題ありません。授乳直後でお腹が空いたわけでもなし、おしめが濡れたわけでもなし。お風呂が大好きなすうちゃんはどんなに機嫌が悪くてもお風呂に入ると直ってしまいます。それなのにお風呂に入れても泣き続け、浴槽でぎゅうと抱きしめてあげても泣き続け。それは寝かしつけの時間に、泣きつかれて眠ってしまうまで続いたのでした。

寝かしつけ直後、旦那さんは恐ろしくなって、最悪「#8000(小児救急電話相談)」と決心し、まずは急いでインターネットで同じ症状を報告している人を探しました。




…ありました。

予防接種後の号泣…。(Yahoo知恵袋)


フラッシュバックだったのね。さもありなん。その晩、会社から帰ってきたじゅんさんにその話をすると
「ある意味、副作用だね。
 お医者さんから『そういうことがあるかもしれません』
 って説明あってもいいのに。」
と笑っていました。

笑い話で済んだからよかったようなものの、やはり予防接種で不幸にも命を落とす赤ちゃんもいるわけで(*1)、予防接種に関しては素人の私たちがどうわが子の命を守るのか考えなければならない、かなり難しい問題であります。結局子どもの体質と接種するリスク、しないリスクをよく考えて決めるしかないです。そして接種当日の子ども体調の判断も冷静に(*2)。私が言えるのはそれだけです。すうちゃんの2回目の予防接種も無事済みますように。


<参考>
*1:4種混合ワクチン:初の死亡例 生後6カ月未満の男児(毎日JP)
*2:子供の予防接種:Q&A 保護者が冷静にリスク評価を(毎日JP)


<紹介>


こちらは接種しないリスクを考えさせられる本



こちらは接種するリスクを考えさせられる本

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