旅行代理店ドミノ社へようこそ


2010年3月に初めて奈良に行くことになった旦那さん。私の当時の計画自慢(すいません、若気の至りです・・・)と年を改めて三輪山に訪れることになる話が書いてあります。三輪山訪問記は以前の記事にて。

以下はLOVELOG版Messier Catalogue 27の2010年3月21日の記事の再投稿です。


旅行代理店ドミノ社へようこそ

「とうとう奈良に行くことになったんですね。だったら『旅行代理店ドミノ社へようこそ』ですヨ! 旦那さんの旅行先での願いはなんでも叶えます。」

家での留守番中にいろいろと調べますと、奈良というのはだいたい大きく次のブロックに分かれていて、ここをまとめて回ると時間のロスが少ないことがわかりました。



①奈良・東エリア
②奈良・西エリア
③斑鳩エリア
④山の辺の道エリア
⑤飛鳥エリア
⑥桜井エリア
⑦宇陀エリア
⑧吉野エリア
⑨葛城エリア

○おまけ
本当の奈良」はこんなものではない。広い…。(マピオン地図より)











ところが奈良滞在日数は約1.5日なのに旦那さんの要求はエリア無視のクロスオーバー。例えばこんな具体。「東大寺の法華堂と修二会見学は絶対マスト(①)。12月に聖徳太子本をしこたま読んだから、法隆寺も行ってみたいし(③)、飛鳥の里にも行きたいな(⑤)。そうそう、源氏物語で玉蔓を見初めた長谷寺にも行ってみたい(⑦)。」さらっと頭の中に描いただけでも1.5日では回れません。

初心は「東大寺の法華堂の仏像を見る」「東大寺の修二会を見学する」ですから、この2つを外さないように、あとは旦那さんの見てみたい仏像を組み合わせてプランを練ることにしました。前回、台湾旅行計画で旦那さんの知り合いの方にお褒めに預かったように(*1)、私なかなかマメなんですよ。稲荷狐なんですが。うふふ。


■旅行代理店ドミノ社のプラン

今回の旅に与えられた時間は、昼前に奈良入りして、翌日の夜に帰るという約1.5日です。そこで今回の旅行代理店ドミノ社の腕の見せ所は、電車とバスの接続時間と徒歩移動時間、寺の拝観にかかる時間と拝観終了時間の連携です。地方のよいものはわざわざ出向いていかないと出会えないことが多く、車が運転できない旦那さんの場合、電車とバスを駆使して、目的地を訪れます。そして写真撮り・メモ取り魔の旦那さんの滞在時間を寺の敷地の広さと見たい仏像の数から時間見積もり、そうしますと自然と行けるお寺が絞られます。

それで決まったのがこのお寺。いずれも国宝や重文の仏像でいっぱいのお寺です。
1日目が東大寺(①)、新薬師寺(①)、興福寺(①)、
2日目が聖林寺(⑥)、室生寺(⑦)、長谷寺(⑦)。

ここで今回使ったテクニックに「せんとくん奈良世界遺産フリーきっぷ」購入というのがあります(*2)。近鉄と奈良交通がタッグを組んだお得なきっぷで、奈良・斑鳩・吉野エリアであれば3日間指定区間の近鉄電車と奈良交通バスが乗り放題になります。また一部お寺や施設の拝観料や入場料が10%OFFにもなるんですよ! 発売期間は2010年12月31日まで(使用は2011年1月2日まで)。近鉄主要駅からそれぞれの料金で売っていますが、京都からだと3000円。京都駅で新幹線中央口を出ますと、すぐに近鉄改札口が見えます。その側の近鉄窓口にて、このフリーきっぷを求めます。

旦那さんの場合は1.5日なので元が取れるか心配でしたが、通常電車・バス利用で試算したところ11120円なのが、実際は9120円で済んだので、2000円もお得。これがもし3日滞在で、斑鳩のほうにも出かけましたら、もっと有効活用できたでしょうね。JRを利用したほうが目的地最寄駅の到着が速かったりするんですが、結局、バスとの時間調整などを考えると、むしろ近鉄を使うほうが便利だという印象を受けました。

下にマップと順路をつけておきましたので、興味があればクリックしてご覧下さい。

奈良旅行マップ(Googleマイマップ)

○タイムテーブル(1日目/2日目)

■「遊ぶ」よりむしろ「遊ばれる」?

前回のBlogに人が立てた計画なんてたかが知れていると書きましたが(*3)、稲荷狐が立ててもまあ同じようなもので。でも折角遠出をするのだから普段見れないものをたくさん見ておきたいって欲は出るでしょう? だから四の五の言わないで計画を立ててみたわけです。

そしたらまあ、遊ぶよりむしろ遊ばれてしまったようで。いろいろ面白いことはあったのですが、そのうち1つをここで紹介したいと思います。

2日目の室生寺の周りには、旅館がたくさんあります。私たちのお昼もこの旅館の一つで山菜料理を頂いたのですが、旅館のメニューご案内にやたら「『にゅうめん』あります。」と見るのです。にゅうめんというのは、素麺の温かいやつですね。なぜ山奥ににゅうめんが…と旦那さんは不思議に心にひっかかっていたそうです。

それを帰りの長谷寺に向かう近鉄電車の中で考えていると…

「おおおお、ドミノさん、『三輪そうめん』だよ!(*4)」
「『三輪』って奈良なんですか?」
「『味酒(うまさけ) 三輪の山、あをによし 奈良の山の 山の際に…』
 奈良だよ!」
「ああ、大神(おおみわ)神社、ご神体のお山ですね!(*5)
 こっちの業界でも有名ですよ。
 で、三輪山ってどこにあるんですか?」
「んーっと、地図、地図ね…。」

ぷっしゅう(ドアの閉まる音)。
ぷあーん(発車の音)。
電車は長谷寺駅を出発。

「ぎゃあああ!」
「わああああ!」

私たちは隣の駅、大和朝倉駅まで運ばれてしまします。そこで降りて逆方向の電車を待つのですが、次の電車は20分後。

「長谷寺で拝観タイムオーバーなんてヤだよ…。山手線なら3分に1本だよぅ?」
「朝の山手線が神がかり的なダイヤなんですよ。
 『電車でGO』で最難関ってのも、よくわかりますよ。ほんと。(*6)」
「何悠長なこと行ってんの、あんたは。」
「はいはい、せっかちは体の毒ですよ。
 そういえば、朝の聖林寺のおみくじで『短気をいましめよ』
 って出てたじゃないですか。
 おみくじって当たりますねェ。今がその時ですよ。」

大和朝倉駅では、各駅停車以外にも、阪伊特急などが通りますので、電車好きの旦那さんは、鳥頭のような素早さで機嫌を直して、すぐに電車の写真を撮り始めました。

「そういえば、旦那さん、さっきの続き。三輪山ってどこにあるんですか。」
「そうだった、そうだった。ちょっと待ってちょうだいなっと。」
「どこ?」
「…」




旦那さんが指した指の先は大和朝倉駅の目の前の山。

「あはははは!」

三輪の神様がわざわざ私たちに寄り道させて教えてくださったんですね。なんてありがたいこと! こうやって面白がることが遊ぶってこと? いやむしろ三輪の神様に遊ばれたってことが正解かもしれませんよ。このお礼に次回はぜひ三輪駅で降りて、大神神社にご挨拶をし、お山めぐりをしたいものです。

おかげさまで(?)、予想通り30分のロスタイム発生により、長谷寺はお寺が閉まる時間いっぱいまで山岳修行者のように走り回る拝観となりましたが、行きたいところは全て行けました。またこの長谷という地名。地名には秘密が隠されています。文字通り「長い谷」。駅と長谷寺の間に初瀬川が流れ、見事にV字の谷になっています。駅から谷に下りて、山手の寺に上がっていく。この参道はなかなかの曲者です。特に帰りは心臓破りの長谷寺駅への坂となります。皆様、お気をつけて。

次回はがっつり仏像の話なんぞ。


<参考>
*1:台湾旅行の計画(当Blog)
*2:せんとくん奈良世界遺産フリーきっぷ(奈良交通HP/近鉄HP
*3:人が立てる計画なんて(当Blog)
*4:三輪素麺(Wiki)
*5:大神神社(公式HP)
*6:電車でGO</A>(Wiki)
  初代は山手線がラストステージだった。


<紹介>
今回旅行に使ったガイドマップはこちら。
 

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