世界が積みあがっています

みなさん、記憶があるのって何歳くらいからですか? 旦那さんの明確な記憶は4歳の年少さんのとき、幼稚園でお弁当のレタスをがんばって食べた時「やったよ、お母さん! 今日は空のお弁当箱を持って帰ることができる!」という達成感という喜びに満ちた記憶だそうです。一般的に明確な記憶が3、4歳からスタートするのも(*1)、やはり言葉が影響していると思うのです。いつ、どこで、誰と、どんな感情か。これらが言葉が結びついたときが明確な世界になるのではないでしょうか。

言葉が記憶を形成する、つまり過去の世界を形成する。従って、赤ちゃんの自身のクリアな世界が生まれる(認識する)のは言葉が生まれてから以降ではないかと私は思っていました。

我が家にいるすうちゃんは満4ヶ月。言葉はまだ話せませんから、きっと彼女の世界の認識もまだ。よって彼女のクリアな世界も現在以外に彼女にとってまだないはずです。それでも時間が経過するということは、すうちゃんの世界は積みあがっているんだなと思わせることがありました。

■言葉はまだない、が

すうちゃん予防接種1回目の時、家に帰ってきてお風呂に入る頃に火が付いたように泣き始めました。副作用で具合が悪くなったのかと慌てたものの寝かし付けに成功し一段落。ネットで調べたところ注射を刺されたときの痛かった思い出が恐怖となって蘇ってきたようです。これはすうちゃんにとって3~4時間前の世界があるということになります。しかし泣き始めてからは恐怖に支配されて、現在と混在してしまったところが赤ちゃんらしいところです。

予防接種2回目の時。この時は寝かされ看護師さんに押さえつけられて3本注射を打たれました。家に帰って寝かせようとすると押さえつけられた記憶が蘇ってきたのでしょうね。背中を付けるのを嫌がって泣きわめきました。しかも何度も。しかし抱っこをすると大丈夫なのです。これは2~3時間前の世界があるものの、抱っこしてもらっているという現在とは混在していないことから、成長が見られます。

予防接種の翌日は1回目も2回目も何もなかったようにケロっとしていました。睡眠で記憶が整理されたおかげもありますが、予防接種は一ヶ月に一回ですので翌日以降思い出す要素がなかったのでしょう。

その証拠に毎日の習慣でしばらく頻繁に思い出すことになった嫌な記憶がありました。それがお風呂で父親じゅんさんの手元が狂って顔にお湯を掛けられてしまった事件です。翌日からすうちゃんはお風呂で体を洗うたびに泣き、それが1週間程度続きました。

このようにすうちゃんを観察していますと、言葉はないけれど、数時間前の世界、昨日の世界が確実にあるんだなあと思いますね。


■一ヶ月前の世界を見た!

そして先日の3回目の予防接種の時でした。すうちゃんは病院に入って待合室から不安そうな顔をしていました。診察室に入ると涙目。そしてお医者さんが予防接種の準備をしていると大泣き開始。先生が一言「覚えているんですね。」 ここにきて約一ヶ月前の世界が登場したということになります。そして家に帰ると意外と思い出す風もなく、1回目、2回目にはない安定感を感じました。確実なる成長!

こう考えますと、赤ちゃんは言葉はなくとも記憶を「イメージ」というインデックスで思い出すことができるようになっているのですね。ただ脳内検索にとって「言葉」のインデックスが一番早くて確実なので、今後古い「イメージ」は埋もれていくのでしょうけれど。

埋もれても世界は存在している…となると、ひょんなことで記憶が蘇るかもしれません。だからこそ言葉を覚える前の赤ちゃん時代に不安の少ない、楽しい、嬉しいといった愛に満ちた体験をさせてあげるのは非常に重要のように思えました。当人の世界のベースになるのですから。


<参考>
*1:子どものときのことを覚えていないのはなぜ?(日本心理学会)


<紹介>

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