堀切界隈すっきりお洗濯ツアー

毎年梅雨の時期、旦那さんは絶不調! 今年からはすうちゃんがいますので弱音ばかり吐いていられないのですが。この記事は彼女が独身時代に少しでも気持ちを上げてもらおうと私が考えた散策プランでお出かけをしたときのお話です。そのときお世話になった隅田川神社、今週が例大祭です! ぜひおそろいでお出かけください。

隅田川神社例大祭(レッツエンジョイ東京)

以下はLOVELOG版Messier Catalogue 27の2010年6月15日の記事の再投稿です。

堀切界隈すっきりお洗濯ツアー


うっとおしい梅雨の季節がやってきますね。夏が嫌いな旦那さんはこの当たりからダウナーになってきます。無論、暑いのが苦手というのが一番の理由とは思いますが、旦那さん、代謝が悪いんです。とっても。だから空気中の水蒸気量が増えますと、体のむくみが取りにくくなって、体が重苦しいようです。

でもこれ体のむくみだけじゃあございません。旦那さんはあまり自覚していないようなんですが、旦那さんの脳がメモリリーク(*1)を起こす季節なんです。春、初夏と出歩くのに気候がいいもんだから、調子に乗って、どんどんいろんな体験する。で、整理しないままガンガン詰め込んでいく。

パソコンでもそうですが、利用可能なメモリ領域が減少すると、システム性能が不安定になるでしょう? 旦那さんも最近、美術館に行ったり歌舞伎に行ったり、楽しいことしているはずなのに、なにか打ち沈むことが多くなりました。でもそれが詰め込みすぎによる不安定だとは思っていないのですから、「のんびりされてはどうですか?」なんて私が何を言っても聞く耳を持とうとしません。

そこで、主人思いの(というか不機嫌で当たられるのが嫌な)私は、5月下旬頃、大江戸お稲荷網を駆使しまして、何かいい知恵が借りれないかと仲間たちにお伺いを立ててみたのですよ。伊達に江戸名物に「伊勢屋、稲荷に犬の糞」と言われたわけではございません。本当にネットワークが凄いんですよ。

そしたら、しばらくしたら、きました、きました。墨田区の隅田稲荷神社(*2)のお勤めの狐から。

「近所の隅田川神社(*3)ってぇのがあって、その神様たちは、
 おめえの旦那の糞詰まりをすっきり洗いながしてくれるぜ。」
「佃島の住吉さん(*4)じゃダメかい。禊の神様だよ。」
「おめえの旦那にその意思があるならそれでもいいが、
 自分が詰まってることもわかるめえ。
 そういうやつは、強制執行のほうがいいってもんよ。」
「はっはあ。なるほど。お前さん、冴えてるね。」

感謝、感激、雨、あられ。持つべきものはお稲荷の友です。


そして、旦那さんに隅田川神社にお誘いをしようとするわけですが、旦那さんは元々自分のキャパシティを過信し、不調の理由に納得していないため、そんなことでは首を縦に振りません。ですからそこは一計を案じまして、こう切り出してみました。

「旦那さん、堀切JCT(ジャンクション)(*5)を見に行きませんか?」
「行くッ!」

速攻で決まりです。(笑)


■白髭団地でぴーひゃらら

「どうしたの? 堀切JCT行こうだなんて?」
「ほら、先日、隅田川沿いを走る首都高6号線の気持ちよさげな話、
 聞いてましたから(*6)。気分転換にいいかと思いまして。」
「…ふーん(疑いの目)。何か裏がありそうなんだけど。」
「あ、ほら、堀切って言えば、金八先生の荒川の土手ですし(*7)(汗)」
「…ふーん。理由になってないけれど。」
「あ。京成線のローカル乗ったことありませんよね。
 東武伊勢崎線もないですよね。漏れなく乗れますヨ。(*8)」
「お、そりゃ、いいねぇ!」

あー、電車大好きな鳥頭でよかった。

そこで敢えて、「日暮里→(京成線)→関谷/牛田→(東武伊勢崎線)→鐘ヶ淵」と、日暮里から2度乗り換えて隅田川神社の最寄駅(鐘ヶ淵)に向かうことにしました。途中、牛田→堀切→鐘ヶ淵と向かうにつれて、首都高六号線と荒川が見えてくると、旦那さんの気分は最高潮…

「え、え、堀切で降りるんじゃないの?」
「ちっちっ。旦那さん、金八先生をやるには、
 夕方の土手に決まってるじゃないですか。
 まだ日が高いので、いいところにご案内しますよ。」

そして、鐘ヶ淵駅で降りて、歩くこと10分。ぴーひゃらと囃子の音が聞こえてきます。あ、そういえば、隅田稲荷神社の狐のヤツが言うには「6月12日、13日は俺のとこも祭りなんだけど、隅田川神社も祭りだから、どうせなら祭りの時に寄ってきな。」と。すっかり祭りのことなんて忘れてましたけど、私の普段の行いがいいから、偶然にも祭りの時に当たったんですネ! こちら都営白髭団地の真下を通るお練の様子。


「祭り!? あんた、気が利くねぇ! で、どこの祭りだい。」
「よ、よくぞ聞いてくれました。隅田川神社ですよ。お参りしていきましょう。」

しかし隅田側沿いに居並ぶ高層の都営住宅が壁のようになっていて、どうやって隅田川神社のある東白髭公園に行くのかわからない。私たちは壁の向うに行きたいのですよ。隅田稲荷の狐を呼ぼうかしら、でもあっちも祭りで忙しいだろうしと気を遣い、案内をしあぐねてウロウロしていましたところ…

「ドミノさん、こりゃ、有名な都営白髭団地だね(*9)。」
「有名なんですか?」
「うん、高層住宅の聖地…、いや、本来は防災でね。
 関東大震災の際に火災で多くの人が亡くなったのを教訓に
 作られたんだよ。この高層住宅は防火壁になるんです。
 で、門は閉じられ、東白髭公園に逃げてきた人を守ると。」
「そう、東白髭公園に隅田川神社があるので、私はそこに行きたいのですが。」

隅田川神社に行きたいと言った瞬間に、目の前に亀のように見えるサムシングがいるではありませんか(右図のような姿です)。ああ、隅田川神社のお遣いの方ですね。え、隅田稲荷のヤツが話を通しておいてくれましたか。これはわざわざお迎えありがとうございます。私たちは団地の梅若門を潜り、隅田川神社へと向かいました。


■隅田川神社でお洗濯

さてなぜ今回、隅田川神社に旦那さんをお誘いしたかと申しますと、ご祭神に関係があります。ここのご祭神には、日本をお作りになった伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)の御子である、速秋津日子神(はやあきつひこのかみ)と速秋津比賣神(はやあきつひめのかみ)がいらっしゃるのですが、彼らはご夫婦で、夫が河、妻が海、そして接点である水門(河口)の神様なのです(*10)。(他にも二神いらっしゃいます。)

水に流すということから連想されるように、古来、水の流れで禊ぎをして穢れを祓うことから、浄化作用の強い神様です。吝嗇や恐怖で手放せないものを河が背中を押し、万が一自分が激流に放り込まれて見失いそうになったとしても、海が受け止めてくださいます

旦那さんのような自己欺瞞の者は、隅田稲荷の狐が言ったように、洗濯機でごんがらごんがらやられるように揉まれて綺麗になったほうがよろしい。そこで隅田川神社に連れて行ったわけなのです。私はお社時代も下っ端でしたし、今では野良狐ですので、神様のお姿を見る力はないのですが、旦那さんはお参りをすることで、スプーンでくるくるくるとかき混ぜられるようにして、へばり付いていたものが分離していくのがわかりました。

そのうち案内をしてくれた亀のように見えるサムシングが「もう少し境内でのんびりしてらっしゃい。いいものが始まりますから。お宅のご主人はもっとすっきりして帰られますよ。」と言います。しばらくすると舞台から住吉三神登場! 「えー、旦那さん、二度洗い!」


里神楽「禊三筒男(みそぎみつつお)」。古事記の国作りのストーリーを舞いにしたものなのですが、その中でも序幕にあたります。三筒男とは、伊邪那岐命が黄泉国から戻ってきて、その穢れを祓う時に生まれた御子、底筒男神(そこづつのおのかみ)、中筒男神(なかづつのおのかみ)、上筒男神(うわづつのおのかみ)の住吉三神のことです(*11)。上筒男神が「折紙の舞」、中筒男神が「奉幣の舞」と舞い、最後に底筒男神が「二枚扇の舞」「三番叟」で舞い納めとなります。

この里神楽は、序幕に演じられ、最も重いご祝儀ものとされているそうですが、この神様たちの浄化作用により、祭りの初日に場を清めるために行わるのではないかなと思いました。というのも速秋津日子神と速秋津比賣神が洗濯機なら、染め抜かれた夜の闇を漂白する付け置き洗いのような効果がありますからね。

夕方4時から30分間の舞を存分に見ると、旦那さんは傍目で見てもすっかり綺麗になりました。もちろん速秋津日子神と速秋津比賣神のお洗濯でも十分だったのですが、お祭りご祝儀といいますか、さらにバイオ洗浄してもらった感じでした(笑)。

そして、あとは乾かすだけ。


■風に吹かれてパワーアップ

鐘ヶ淵駅から、荒川の土手に向かって歩くと、ぱあっと視界が開けます。土手、荒川、首都高速、空。おいしそうなサンドイッチのような層が広がります。

「空がこんなに広いなんて、
 都心にいたらわからないよ。」
「なんか心がすっきりしますよね。」

こんな会話をのんびり交わしていたら、すっかり旦那さんは乾燥終了。前にもまして元気になって

「うぎゃあ、堀切JCT!」
「金八やろう、金八。」

後ろを振り返ると

「あれ、スカイツイリー(*12)!」
「ほらほらほら、スペーシア(*13)!」

…フラッシュメモリによるあまりのパワー充填ぶりに、連れていくんじゃなかった。とちょっぴり後悔したのでした。







すっきりしたい人、昨今流行のパワースポット巡りとは一味違う小旅行、いかがですか?



<参考>
*1:メモリリーク(e-word)
*2:隅田稲荷神社(東京神社庁)
*3:住吉神社(東京神社庁)
*4:隅田川神社(東京神社庁)
*5:堀切JCT(Wiki)
*6:首都高6号線の気持ちよさげな話(当Blog)
*7:金八先生の荒川の土手(荒川ロケーションHP)
*8:京成線(京成電鉄HP)
  東武伊勢崎線(東武鉄道HP)
*9:都営白髭団地(インパクHP)
  都営白髭団地(下町めぐり.jp)
*10:速秋津日子神と速秋津比売神(Wiki)
*11:住吉三神(Wiki)
*12:東京スカイツリー(東京スカイツリーHP)
*13:東武特急スペーシア(東武鉄道HP)
  HP泣ける。音楽がよい。日光に行きたくなります。(旦那さん談)


<参考>
これで神社の行き先決めるのも乙ですヨ。



コメント

このブログの人気の投稿

なんで悲しそうな少年なの?

ドリー祭り~セコンド人生からの昇格?

熊野、房総、出羽三山!