クリスマスの血が騒ぐのは


もうすぐクリスマスですね。すうちゃんがやってきてからの初めてのクリスマスです。旦那さんはマリア様が幼子イエスを抱くというしぐさが実感としてわかるようになったそうですよ。独身時代のクリスマスは…以下の記事を読み返すになかなかの活動派というか、ハイテンションですね(苦笑)。家族で過ごすクリスマス、そちらについてはまたの機会にこのBlogで書くことができれば。

以下はLOVELOG版Messier Catalogue 27の2009年12月8日の記事の再投稿です


クリスマスの血が騒ぐのは


いつもの休日の旦那さんなら、「冬は私の季節!(キラーン)」と目を光らせて、外をほっつき歩いていますが(散策とも言う)、さすがに年も年なのでご友人を付き合わせるのは悪い。というわけで「私たち大人だし、ホテルのラウンジでお茶でもしながらおしゃべりはどうかしら。おほほほ。」と柄にもなく、ホテルに向かいました。日比谷のペニンシュラホテルでアフタヌーンティーです(*1)。え、私もご相伴に預かれるの? やったー。

お値段はサービス料込みで4000円近くして、旦那さんが提案した手前、ちょっと高いかなと思って恐縮していました。ところが、目の前に日比谷公園が見えるロケーション、シャンデリアの美しい開放的で落ち着きのあるロビー、JAZZの生演奏、白い詰襟の制服をきたキビキビ働くお給仕の方たち、飲み物を変えてのお代わり自由に、お皿のお菓子がなくなると「お菓子はいかがですか。」とやってきてくれます。「4000円の価値あるよ。」と旦那さんは私に耳打ち。お連れの方も「さすがに宿泊はおいそれとできないけれど、この値段でお姫様のような気分にさせてくれるのもなかなかいいね。」と感想を述べていました。

お姫様っていうのも大げさですがね、二人とも「ほらあ、ホテルでベルボーイが荷物を運んでくれようとすると『あああ、自分で持ちます』とか言っちゃうタイプでしょ。」「そうそう、運んでくれたらくれたで、『どうもありがとうございます』と深深と礼。」「アハハハ。アタシたち、生粋の日本人だもんねー。」と大笑い。二人とも日本人というか、サーバント気質というか(笑)。だからちょっとしたことがくすぐったくて嬉しかったようです。まあ、なにはともあれ、幸せなことが多いのはよいことです。

主役を張ってみるものの

地味に日本人として、日常でも脇役として東京で暮らしている旦那さんですが、人生で最初で最後か、女王様的な主役を張ったことがあると言っています。それは…教会併設の幼稚園でやったクリスマス聖劇のマリア様です。過去の栄光といっても過去すぎ…。クリスマス聖劇というのは、降誕劇とも言われ、イエス様誕生をお祝いする劇です。

簡単にストーリーをご説明します(旦那さん○十年以上も昔の記憶による)

シーン1:(登場人物:マリア、天使)
うら若き乙女のマリアはある日天使に「神の子を身ごもるであろう」と告げられ懐妊します。
シーン2:(登場人物:マリア、ヨセフ)
時は流れ、身重のマリア(臨月)と夫のヨセフは人口調査のため故郷ベツレヘムに向かいます。
シーン3:(登場人物:マリア、ヨセフ、宿屋の夫婦)
街は人で溢れ返り、宿屋には悉く断られ、ようやく宿泊できたのが厩(うまや)でした。
シーン4:(登場人物:天使、羊飼い)
救い主が生まれることを天使にいち早く知らされたのが寝ずに羊の番をしていた羊飼いたちで、お祝いに向かいます。
シーン5:(登場人物:三博士、星)
一方で東方の三博士たちも、天体の瑞兆で救い主がお生まれになることをキャッチ。黄金・没薬・乳香という珍しい祝いの品を持って、お祝いに向かいます。
シーン6:(登場人物:マリア、ヨセフ、天使、羊飼い、星、三博士)
イエス様の誕生。羊飼いたちがお祝いし、東方の三博士たちがお祝いし、天使や星など、みなでお祝いする晴れがましいエンディング!「もろびとこぞりて」を皆で歌います。


旦那さーん、一度でも主役が出来てよかったじゃないですかあ。私はてっきり日陰人生かと思って、ちょっと心配していたんですよ。え、本当は天使をやりたかった?

「だって星のロッドを持って、頭に環を乗せて、背中に羽を背負ってるんだよ。ギャー、カワイイー!」確かに想像するだけでも、キキとララ(*2)のコスプレのような幼稚園児って可愛すぎ。

「あこがれの天使の台詞なら覚えてるよ。『あなたは男の子を身ごもるであろう。その子をイエスと名づけなさい。』 幼稚園児がこんな高圧的な表現する? 痺れるカッコよさ!」ガブリエル役の女の子、意味わかってたんでしょうか…。

「それに引き換えマリア様ときたら、白い布を顔の周りに巻かれて…ひょっとこのほおっかむりにしか見えないよッ!」せめて白いマトリョーシカと表現されては。

「それよりも疑問なのが、誕生のシーンはいきなりキューピーちゃんを抱いて子守歌歌いながら登場だよ。歌を歌いながら私は思ったよ。『どうやって子供は生まれるんだ?』『イエス様がキューピー人形でいいのか?』」 たかだか6歳児にもそんな葛藤があったのですね…。

自慢のクリスマス模型

さて、クリスマスに降誕劇を演じることは中世に遡るそうですが(*3)、他にも模型で再現してお祝いすること考えついた人がいます。誰だと思います?

正解は映画「ブラザー・サン シスター・ムーン」でも有名なアッシジの聖フランチェスコ(*4)です。フランチェスコは本当にイエス様を愛するがあまり、同じような生活に身を置こうと考えて実践した人で、清貧も旨としたフランシスコ会の創設者です。真剣にイエス様と一体化したいと思ったため、スティグマ(聖痕)が出てしまったくらい…。

当時の職位ピラミッドで硬直化したカトリック教会に倣うのではなく、市民の中に入っていき、独自のやり方で分かりやすくキリストの偉大さを伝える活動をしました。その一つのアイデアとして厩での誕生の様子の模型(人形飾り)を作ったというわけです。それは1223年の出来事だそうで、それがイタリアのプレゼピオとして現在に伝えられています(*5)。もちろん模型は教材としての意味もあったのでしょうけれど、フランチェスコさんのことなので、イエス様を追体験したいという意志の現れなのではないかと思ったりします。

で、うちの旦那さんも自慢の模型があります。クリスマスになるといつも飾ります。ここで写真をお見せします。じゃーん。ドイツのおもちゃ、プレイモービルです!(*6) 新宿アルタにあったプレイモービル屋のガレージセールで迷わずゲットしました!よくできてますよー。





旦那さんはキリスト教徒ではないんですけどね、三つ子の魂百までとはよく言ったもので、今でもデフォルトでイエス様とマリア様は「様」付きとなりますし、クリスマスは血が騒ぐそうですよ。祭りだわっしょい? あれ、なんか表現違うような…。 人生の中で数少ない主役の記憶が呼び戻されるのかしら(笑)。


<参考>
*1:ペニンシュラのアフタヌーンティ(ペニンシュラHP)
*2:リトルツインスターズ(サンリオHP)
*3:降誕劇の起源(クリスマスツリーの由来)
  (立川聖パトリック教会HP)
*4:聖フランチェスコ(Wiki)
*5:プレゼピオ(ウンブリア州 ホテル検索HP)
*6:プレイモービル クリスマス 3人の王様 3997(Amazon)


<紹介>

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