プロローグは切れ痔で

すうちゃんは健診と予防接種以外で未だ病院にかかったことありません。鼻水を出したり、くしゃみをしたり、少々下痢気味だったり…ということはありましたが、重症化することなく自力(免疫)で直してしまったようです。健康な旦那さんの遺伝子を受け継ぐと当然といったところでしょうか。児童館に行くとお母さんたちは赤ちゃんの病気の話で盛り上がることが多く、対策などの情報交換をする中で旦那さんはどことなく肩身の狭い思いをしていました。

ところがそんなすうちゃんが1月から調子を崩しました。それは便通です。年末まで順調だった便通も1月に入り急に固いうんちとなり滞り気味になってしまったのです。毎日の食事の記録を見比べてみても、食べ物は特に変わっていません。お茶だって毎食200mlも飲みます。ヨーグルトだってフルーツだって毎日食べます。それなのにすうちゃんは排便がつらそうで、とうとう力みながら大泣きするようになってしまいました。

そしてその日は訪れました。いつものように排便時に大泣きをするので旦那さんがすうちゃんのお尻を捲り上げて麺棒で補助しようと思ったその時、鮮血が!

「切れ痔…」

明らかに目に見える箇所が切れたのでした。大人でもそうですが、切れ痔の場合、一度お尻が切れてもしばらくすると自然治癒しますよね。なにより大切なのは毎日の便通とやわらかうんち。これがお尻のためでもあります。旦那さんは当然すうちゃんの食事に気をつけながら自力で治させる道を選ぼうとしました。ところがその後、すうちゃんはお尻が痛いから力まない、固いうんちが溜まる、まとめて大きなうんちをする、お尻が切れる、の悪循環となってしまい、どうにも困ってしまいました。


痔、意味がわかんない

すうちゃんの痔を早く直して気持ちよく力ませてあげるためにも病院に軟膏をもらいに行きましょう。

「し、しかし、病院のかかり方がよくわからない…。
 このくらいの痔ごときで病院に行っていいのか?
 そもそも小児科でいいのか?」

健康な人にありがちですが旦那さんは病院が苦手です。しかし苦しんでいるのはすうちゃんで、旦那さんではありません。すうちゃんが病院に行く行かないは判断できないのですから、冷静に様子を見て痛がっている(=泣く)のであれば、とりあえず病院に連れていくのが正解なのではないでしょうか。ここは幼い娘を持つ母親として腹を括らないと! 

そんな旦那さんがすうちゃんを連れて病院に行くと案の定、問題が起こります。診察室に入って先生に「どうしました?」と言われると、次のように切り出しました。

「娘が『痔』になって血が出て、排便がつらそうで、ええと…。」

すると先生は鋭く言いました。

「意味がわかんない。どういうこと?」

旦那さんフリーズ。意味わかんないってどういうこと? 痔って言ったじゃない? 血が出たって言ったじゃない?? 何か日本語間違ったか??? この間、約1秒。

先生はもう一度鋭く言いました。

「お尻から血が出たってこと?」

それでようやくぴんときたのでした。『痔』とは、診断の結果であって素人である旦那さんが言う必要がない。言うべきはお尻から血が出たこと、排便がつらそうということ、そしてうんちの状態でしょう。お尻からの出血は痔だけとは限らないのです。できるだけ見たまま、感じたままの症状を伝えること、これが重要なのです。

実際の診断はやはり「痔」。予想どおり軟膏が処方されました。こうして初めての病院はほろ苦いデビューとなったのでした。


リベンジ通院

すうちゃんは痔での病院通いからほどなくして再び具合が悪くなってしまいました。今度はどうやら風邪のようです。というのも風邪を引いていた旦那さんとじゅんさんの症状とそっくりだから。朝からこんこんと咳が出て、息をするとヒューヒュー音がします。すうちゃん自身は痔以外での初めての具合の悪さに驚いたようで起床から泣き通しでした。

風邪というのは特効薬がないので基本は自力で直すしかなく(*1)、きっといままでの旦那さんでしたら、熱もなくこれくらいの症状であれば薬も飲ませずに自然治癒だなという判断をしつつも、泣いて愚図ることに焦り、病院に連れていくべきかとオロオロしたことでしょう。しかしすでに1回病院通いをしたおかげで苦手意識も緩和されました。

「つらそうなのだからすぐに病院に連れて行こう。」

とすぐに判断しました。

そして診察室でも「娘が『風邪』になって・・・」なんてことは言いません。症状を淡々と伝えました。おかげ様ですうちゃんは吸入器で気管を広げてもらい、気管を広げる薬、咳止め、痰切りの薬を処方してもらいました。しかもこんなにかわいい袋!



先ほど風邪は特効薬はないと書きましたが、症状を和らげて楽になっている間に食事と睡眠をしっかり取ることで免疫にがんばって治してもらうという当たり前のことに旦那さんは気付いたようです。健康だとそういうことも抜け落ちるんですね。

薬を飲んで楽そうにしているすうちゃんを見て、

「ああ、今回はなんとか母親及第点かなあ。」

とほっとしたのでした。もしかすると『痔』は『風邪』の予行演習のようなものだったのかもしれませんね。痔様様。


<参考>
*1:これはホント?風邪の新常識(NHKあさイチ)


<紹介>
まさにこういう軟膏!

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