さよならおっぱい

すうちゃんは眠りにつくとき、昼夜に関わらずお気に入りのタオルを吸います。それを見かねて旦那さんが「おっぱい飲む?」と声をかけると嬉しそうにタオルから顔を上げて笑います。離乳食もがつがつ食べるようになってもう卒乳かなと思っても、その可愛らしい笑顔が見たくて旦那さんはおっぱいをあげていました。

ところがその日は突然やってきました。夜の就寝時、ミルクの後に声をかけるといつものようにすうちゃんは微笑むのでおっぱいをあげました。ところがいつもならミルク200mlに加えて両方の乳を7分ずつくらい吸うのが、最初の片方3分で口を離すではありませんか。「もう飲まないの?」ともう片方のおっぱいを見せても振り返ることなく、布団の上で遊び始めました。気まぐれかと思いましたが、翌日も同じでした。

「もうおっぱい出ないんだ…。」


旦那さんは今まで0歳児の育児をしてきてこれほど悲しいことはありませんでした。確かに離乳食はしっかり日に三度食べるようになって、授乳は就寝時、ミルクと合わせて1回のみとなっていました。その時すうちゃんはちょうど満11ヶ月なったばかり。確かに1歳を目前にして卒乳を計画してもいい頃でした。

しかしそう簡単にはフェイードアウトできないのではないか。「ママはテンパリスト」でみられるようなおっぱい愛いっぱいの息子ごっちゃん(*1)、旦那さんの会社同僚の2歳になっても卒乳ができない娘さん、ミルク育児のママ友でおっぱいは出なくとも寝かし付けにおっぱいを求める息子さん…など実例を知るにつけ、赤ちゃんはもっとおっぱいに執着をするものだと思っていました。その別れはつらい(大泣きする)ものだと思っていました。そして授乳期間がながければ長いほどIQが高いという研究結果を知った今(*2)、もっと飲んでいてもいいのにとおかしな欲(苦笑)も出てきていました。

でもすうちゃんは大食いなんです。恐ろしいくらいに離乳食の進みが速く、いまだに下の歯が二本しか生えていないにもかかわらず、大人の食べ物をなんら躊躇することなく手を伸ばし食べます。築地の厚焼き卵が好きで、クリームパンが好きで、味噌汁やホイコーローなど味噌味が大好きです。先日なんて目を離したすきにテーブルの上のいなりずしを二個も! きっと出なくなったおっぱいなど用がなくなったのです。

かくして大泣きすることもなく、ぷいっとそっぽを向いたのを最後に「おっぱい飲む?」の言葉には反応しなくなりました。おっぱいを飲まなくなったのを機に夜のミルクもおしまいにしました。寝入るときは相変わらずタオルを吸っているんですけどね。これを児童館で会う先輩ママさんに話すと

「本人(すうちゃん)にとってはよかったんじゃないの?
 つらい別れだったら本人がトラウマになるでしょ。
 それに○○さん(旦那さん)4月から働きに出るんだから願ったりじゃない。」

とさすがの先輩目線、現実的なコメントです。そうですよね。よく考えますと他人から見るとうらやむような順調な卒乳です。すうちゃんまでも4月の旦那さん職場復帰の後押しをしているようです。いよいよ、旦那さんとすうちゃん、節目の春がやってきます。



<参考>
*1:ママはテンパリスト(Amazon)
*2:母乳と子どもの知能指数との関係、より明確に(WSJ)


<紹介>

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